任意売却を検討している状態は、何らかの債務を抱えていると言う事です。多くの場合は、住宅ローンによる負債や返済が困難になるほどの借金によるものでしょう。通常の不動産売却では売主が手付金をもらう事になりますが、任意売却の場合はルールが異なりますので紹介しましょう。
一般不動産の売却との違い
通常の不動産売却では、売手と買手は同等の立場で契約を進めます。一般市場の不動産価格を参考にしながら、目安となる金額で取引が行われる事になります。まれに、申込金が必要になることもありますが、買主と売主が売買に同意した場合には、売買契約を交わす事になります。その際に「手付金」を支払われる事になるのが一般的な流れです。
〇手付金の意味合い
契約の証としての役割を持っており、正当な理由がない限り解約ができない事を承諾する意味も含んでいます。万一、途中で購入をキャンセルした場合には、返却されずに「違約金」となる場合や「解約金」の意味も含む事になるのです。
〇任意売却の場合
売主には、何らかの負債がある為に手付金の支払いがあっても、売主である債務者に渡す事はありません。仲介人である不動産会社などの場合は、任意売却の性質を心得ていますので負債者本人には手渡す事はせず、債権者との支払い手続きまで一時的に預かる事になります。
〇売主に手付金が渡った場合の危険性
債務者である売主は、「任意売却」を実行するという時点で、多くの場合資産や所持金はほとんどない状態に等しく、日々の生活まで困窮している場合も考えられます。そのような状況の人に手付金が渡ってしまえば、持ち逃げまでいかないまでも、やむなく消費してしまうケースもあるからです。実際にお金を受け取っていなくなる人もいるのが現状です。
任意売却での手付金の行く先
手付金の相場は、売主と買主が話し合って合意の上で決定する事になり、売値に対して5%~10%程度の金額で受け渡しが行われています。その金額は、債権者である金融機関の為に一時的に任意売却専門の業者が仲介役として預かる事になり、最終的には債権者に対して支払われる事になります。
〇任意売却の仲介人の役割
競売と比較すると、通常の取引価格の6~7割程度で取引される為に大きな期待はできませんが、任意売却の取引価格は売手側にとって、高く取引できる可能性が残されています。住宅ローンの支払いの為に、できるだけ債務を減らす努力が必要になります。
任意売却の了承を得る場合には、抵当権の設定を抹消する必要があります。任意売却専門の業者によって、債権者に交渉を受け入れてもらう為には、取引に関するお金の管理も業者によっておこなわれます。
そこまでの約束が果たされない場合には、信用を失う事になるので、交渉人の役割と責任が、任意売却の交渉のカギをにぎる事になります。
〇任意売却では売買契約と引渡しを同時に行う
手付金の受け取りを省く場合もあるので、できるだけ交渉は仲介人に任せる事が大事です。もし、手付金がもらえるなどの話が、仲介人から出た場合は疑った方がよいでしょう。売主は、任意売却を無事に終了させ、今後の支払い責任や立ち退き先についてなど、自己再生などができるように仲介人と相談できる方が安心です。
まとめ
任意売却の場合の手付金は、できる限り債務を減らす為に、手付金や売却金は仲介者を通じて全て返済にあてる事が任意売却でのルールと言えます。
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