住宅ローンのような長期の返済では、子供の出産や進学、自身の退職時期などの見込めるライフイベントは織り込んで計画を立てることと思います。
しかし、長い返済期間においては収入の激減というような不測の事態も起こり得るものです。このような事態に備えるにはどうしたら良いのでしょうか。
不測の事態の発生
人生に思わぬことは起こることです。近年に起こったサブプライムローン問題からリーマンショックへの流れによる世界的な不況は、この思わぬことに当てはまるのではないでしょうか。特に日本ではサブプライムローンは対岸の火事のように扱われていたこともあり、リーマンショック以降の急激な景気の冷え込みは大きな痛手となりました。
この不景気による企業の業績悪化による倒産を始め、倒産は免れたとしてもリストラ、コストカットによる収入の激減によって家計に大きなダメージを受けた方は少なくはないことでしょう。このような不測の事態に対する備えはどの程度必要なのでしょうか。
不測の事態による収入激減への備え
住宅ローンの返済を継続して続けるために、返済に影響を与えるだけの収入の激減に対してどのように備えたら良いでしょうか。
どれだけ景気が安定していても個別の企業においては、業績悪化などにより収入が激減するということが起こらないとはいえません。また、業績の悪化だけでなく、災害により働く場所がなくなってしまったり、病気などで働くことができなくなったりして収入が激減することもあるかもしれません。
収入の激減への備えは、ひとつは貯蓄をしておくことです。ある程度の期間は貯蓄を切り崩して返済に充て、その間に対応策を立てることができます。
次に支出の内容を整理しておくことです。例えば毎月の自動車のローン、生命保険の支払いなどの中で支出を控えることができるものや、支払い額を見直せるものを考えておきましょう。
また、収入激減に備えた保険もありますので、加入しておくことも備えとなります。
しかし、備え過ぎることでマイホームのある生活を楽しめないのは本末転倒です。バランスを考えることが大切です。
最悪の場合の備え
収入の激減によりローンの返済が出来なければ、最悪の場合にどのようなことになるのか、どのような対応ができるのかを知っておくことも備えとなります。ローンの滞納が続くと競売の申立てが行われますが、競売となると、一般市場における価格よりも割安な価格で売却されるだけでなく、近所にもローン滞納による売却が知られてしまう恐れがあります。
競売以外の方法として任意売却があることを知っておきましょう。任意売却であれば、競売にはないメリットも多くあります。これらのメリットを知っておき、いざというときの心構えをしておくことも大切な備えです。