競売物件を落札した場合、買受人に所有権が移った後も、元の住人がその物件からなかなか出ていかないというケースがしばしば見受けられます。その場合、買受人の権利が侵害されないよう、買受人は元の住人に対して立ち退き請求を行うことができます。では、いつの時点から立ち退き請求ができるのかを紹介していきたいと思います。
競売後の流れについて
そもそも競売とはなんなのでしょうか。その後の流れとともに、以下で見ていくことにします。
そもそも競売とは
住宅ローンを滞納し続け、督促も無視し続けた場合、債権者である金融機関は債権回収のため裁判所に競売の申し立てを行うことができます。つまり、住宅ローンを支払わない債務者の物件を差し押さえ「抵当権の実行」を行い、その担保物件を競売にかけることにより債権を回収するというものです。
競売の流れ
まず、住宅ローンを滞納し続けると、およそ7~8か月で「競売開始決定通知書」が債務者のもとへ送付されます。そこから、およそ半年の間に競売物件の「入札」が行われ、その後「開札日」を迎えます。
「開札日」に買受人が決定し、この時点で競売の取り下げが出来なくなります。買受人が決定すると数日で「売却許可決定」が出されます。そこから1か月以内に、買受人は代金を納付します。この「代金の納付」を行った時点で所有権が買受人に移ります。
所有権が移ったことで、元の住人がこの物件に居座り続けるのは不法占拠の状態になります。
「引渡し命令」から「強制執行」まで
買受人は「代金の納付」から6か月以内に、「引渡し命令」の申し立てを行わなければなりません。元の住人がこの物件に居座り続けて、交渉にも応じない場合、通常は「代金の納付」を終えたらすぐに「引き渡し命令」の申し立てを行います。
買受人が「引渡し命令」の申し立てを行うと、裁判所は通常2~3日で「引き渡し命令の決定」を出します。元の住人が「引渡し命令」に従わない場合、買受人は「強制執行」の申し立てを行います。
その後、「明渡しの催告」が行われ、立ち退きの最終期日が伝えられます。これは最後通告ととらえてもいいかと思います。この時、裁判所は搬出業者と人員や費用の見積もりを出します。
この立ち退きの最終期日までに出ていかない場合は、「強制執行」つまり「明渡しの断行」が行われます。買受人が「代金の納付」を終えてから、通常2か月以内には「明渡しの断行」が行われます。
まとめ
競売の際、立ち退き請求はいつからできるかというと「引渡し命令」がこれに当たる場合は「代金の納付」の後から、ということができます。交渉がうまくいかない場合、速やかな手続きをすることでその後の進展が大きく変わってくることでしょう。
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