不動産基礎知識

住宅ローンにおけるボーナス併用払いとは何か

住宅ローンには、実はボーナス併用払いといって月々の返済とボーナスを頼りに月々の返済とは別にボーナス払いを併用する方法があります。
このボーナス併用払いは経済の先行きが明るかった頃は多くの方が利用していました。しかし、景気の不透明感が進むに連れてあまり利用されなくなってきています。ボーナス併用払いに潜む問題とはどの様なものなのでしょうか。

返済額の増加
ボーナス併用払いを行うという事は、実は総返済額を増やす事になります。月々の返済を行っていれば少しずつではありますが、借り入れた元金も減っていきます。
しかし、ボーナス返済分については半年まとめての返済となるので、6カ月分の金利が発生します。この差は僅かではありますが、長期の返済では思った以上の金額になる事があります。例えば3000万円を金利2%、返済期間35年で借り入れた場合に1500万円をボーナスで返済するとなると、総返済額では約6万円の差となります。
3000万円の借入に対して6万円というと大した差ではないと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、平時で6万円というと結構な金額ですから、金利で支払うには惜しい金額です。

ボーナスは不確実
ボーナスとは企業の業績によって支給額が変わるものです。業績が悪ければボーナスカットだけでなく、支給が見送られる事もあります。
この様な不確実性をもつボーナス併用払いの比重を高くしてしまうとボーナスが大幅にカットされた場合には住宅ローンの返済が出来なくなってしまう可能性があります。また、ボーナスに頼る割合が大きいと、せっかく支給されたボーナスがほとんどローンの返済に回ってしまう事になり精神的な負担となることがあります。

ボーナス払いはデメリットばかりか?
上記のような問題点があるボーナス併用払いを利用する事は避けた方が良いのでしょうか。
しかし、ボーナス併用払いも利用の仕方次第でメリットも十分に認められます。ボーナス併用払いを利用する事のメリットは、毎月の返済額が減る事です。これによって月々の返済には余裕が産まれます。
また、ボーナス併用払いを利用して返済年数を短くする事で、金利の支払い額を減らす事も出来ます。
しかし、ボーナス併用払いは不安定な面を持つボーナスを頼りにするものである以上、その割合を大きくする事にはリスクを大きくする事になりますので、その割合や返済額については慎重に検討しなければいけません。
ボーナス併用払いにはデメリットが多くあることも認識の上、その利用には十分に注意する事をお薦めします。

ピックアップ記事

  1. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  2. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  3. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  4. 督促状の納期限とペナルティについて
  5. 相続時に名義変更をしないとどうなる?

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    競売売却代金の交付と余剰金の発生

    競売が実行された結果、競売物件の売却代金は債権者に交付されることになり…

  2. 不動産基礎知識

    住宅ローンを嫁名義とすることによる問題

    住宅ローンは基本的には誰の名義であっても問題はありません。嫁名義でも住…

  3. 不動産基礎知識

    競売不動産の種類とは

    競売の不動産には一体、どんな種類があるのでしょうか?また、一般的な不動…

  4. 不動産基礎知識

    住宅ローンを多めに借りることは可能なのか

    リフォームや引っ越しの費用に、住宅ローンを利用出来ないだろうかと考えて…

  5. 不動産基礎知識

    不動産競売の入札制限について

    裁判所で行われる不動産競売で買受の申し出は入札によって行われます。入札…

  6. 不動産基礎知識

    マンション投資における損益通算の重要性

    マンションの販売会社からマンション投資を勧められる際の宣伝文句に、マン…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. いろいろ

    マイホーム売却での確定申告は有利に働く?
  2. 任意売却

    任意売却したい!その方法とは?
  3. 任意売却

    任意売却によって得た売却代金の配当方法
  4. 任意売却

    競売における「抵当権」設定とは?
  5. 任意売却

    【不動産】売却は利回りを考慮した後でも遅くない
PAGE TOP