賃貸オーナー様

家賃滞納における督促状の作成と効果

大家さんや管理会社としては、家賃の滞納は頭を悩ます問題です。連絡を取ろうとしても中々応じてくれない場合もあります。問題の解決に向けて「督促状の作成と効果」について紹介していきましょう。

■家賃の滞納は解決できるのか

賃貸経営や不動産管理を始めたばかりの人にとって、家賃の滞納とその回収については、慣れていないので思わぬトラブルに発展しかねないこともあります。家賃を滞納している相手が悪いのだから、こちら側に当然の権利があるからといって、対応がケンカごしでは相手も意地になったり、逆ギレもありえるのです。まずは、正式な手順を踏まえてちゃんと向き合うことが大事です。

■督促状を作成にいたるまで

家賃を滞納するには、それなりの理由があるはずです。仕事をやめたり借金をしたりと借主の問題はあるでしょうが、家主や賃貸管理側の方にも収益や経済的負担に対する影響がでてくるのですから出来る限りの対応が必要です。

◎電話や直接の訪問
家賃の収納期間に納めることが出来てない場合、期日から1週間程度は、電話による連絡を試みます。また、借主と顔見知りの場合は、直接に訪問したりして対応したりします。

◎家賃の支払いの方法の確認
1~2か月の猶予期間をもって、今後の支払い方法などを来月2カ月分まとめて支払うなどの約束を取り付ける事も必要です。いきなり強制手段に出ては逆に問題となる事もありますので正式な順序は重要です。

◎督促行為と督促状の注意
本人に連絡が取れない場合に連帯保証人に連絡を入れて確認を取る事は必要ですが、行き過ぎた行為は悪質行為とみなされる場合があるので要注意です。

嫌がらせに思えるような何度も請求を即したり深夜に押しかけたり早朝に押しかけたり、部屋の物を搬出したり鍵を変更するなど、張り紙で周囲へ知らせたり悪質な取り立て屋を使ったりと、強硬手段での取り立ては違法行為とみなされますので要注意です。

◎連絡がとれない連絡の拒否には督促状
電話や訪問に応じない場合には、督促状を作成して通知することが必要です。

■家賃の回収への法的措置

1=1週間から半月以内であれば、柔らかい物腰の文章で「家賃のご連絡」という形で作成すると良いでしょう。

2=1か月近くも連絡がない場合には、支払いの意思がないと判断されるので、「家賃の支払い請求」という直接的に文章とします。

3=1か月以上過ぎて連絡がない場合には、借主と連帯保証人へ「督促状」の請求をおこないます。家賃と遅延損害金などを、連帯保証人に請求する旨を告知します。

4=滞納から3か月を過ぎても支払いがなされない場合には「賃貸契約の解除」の通知を送ります。同時に「内容証明」の通知を送ります。

5=明け渡しの訴訟を申し立てする
話し合いによる解決が行なわれない場合には、法的手段に訴えることになります。

6=裁判による判定
借主が不在でも貸主側に有利な判決がでるでしょう。

7=強制執行の申し立て
判決によって立ち退きを行わない場合もあるので強制執行に踏み切ります。

■最終的には弁護士だのみか?

家賃さえもらえれば、立ち退きまでは望まない場合には、裁判所によって「家賃の滞納者へ支払いの督促状」を送るという法的な通知も利用できます。手続きによって2回の督促状が送付されます。ただし、異議申し立てが行われた場合には裁判へと発展するので借主にゆだねる形になってしまいます。

意義がなければ仮執行宣言付支払督促がでた場合は強制執行に踏み切ることになります。裁判によって勝利することは確実ですが、2か月以上も時間を取られる上に肝心の家賃の回収には不確実となります。家賃の回収や法的措置については弁護士の専門的な力を借りる事も最善かと思われます。

督促状や強制執行まで弁護士に頼らずに個人で進行することは可能ですが、家賃の回収ができるとは思えません。立ち退きまでを良しとするか、家賃の回収にこだわるのか、時間と金額を考えて着地点の見極めが必要ではないでしょうか。

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