一般の不動産取引においても、土地と建物は別の所有物として認知されています。これは、競売でも同じ事が言えます。今回は土地だけが競売される場合の問題点を解説していきたいと思います。
土地と建物の所有者が異なる場合
土地と建物は、セットで購入する事が理想的です。通常は、土地と建物は同じ所有者の場合が多いのですが、土地を借りる事でそこに建物を建てる目的の借地権を持った建物もかなりあるのです。そのような土地は、底地(そこち)と呼ばれ、土地代を借地人からもらう賃借権と建物の所有権を主張できる「借地権」がある為に、土地と建物が、別々の所有者となる場合です。
土地だけが競売にかけられる事は可能
建物の権利に関係なく、土地だけが競売にかけられる事もあります。これは抵当権が設定された時期に建物が存在してなかった場合に抵当権が優先するので、一括競売を債権者が申請する事が出来ます。
抵当権と借地権の優劣はどうなる
地主が債務不履行で、借地権付きの土地(=底地)を競売に出された場合には、どちらが優先されるかはいち早く権利の設定を行った方に分があります。
1=抵当権が優先されるケース
抵当権の方が先に設定されていた場合には、その後に建てられた建物について、登記が行われていても、抵当権の方が早い為に、借地権に対し更地に戻して返却するように要求できます。6カ月の猶予期間が必要です。新しい土地の所有者が話し合いで買い取る事も可能です。
2=借地権が優先されるケース
先に借地権が設定されている場合には、担保権が後になる為、借地権が優先されるので、前の所有者の賃貸借契約と借地権契約を引き継ぐ事になります。借地権契約は平均30年位の長さで契約されますので建物の所有者は、競売の新たな所有者に関係なく住み続ける事が出来ます。
3=抵当権者の同意により賃借権に対抗出来る設定
債権者は土地を有効活用してもらう為に、借地権や賃借権があとの場合でも、お互いの利益の為に「同意による登記」を行う事で、建物の所有者が住み続ける権利を主張出来る場合もあります。
※このように、土地だけの競売と建物だけの競売には、借地権に対してどのように対処するのかがポイントになってきます。
土地に建物がない場合でも注意は必要
土地だけの競売でも、購入する為のポイントは存在します。土地の購入には、通常の場合と同じように、注意すべきポイントは存在します。
1=競売では、売主が裁判所により代行しており、売主が存在していない事で保証を受けられない事。
2=ローンの利用が難しい事が多いです。
3=物件が道路に面しているかどうかで、建築制限がかかる場合や、建築不可物件も存在します。
4=土地の形状の区画がはっきりしない場合や、他人の土地を利用しないとたどりつけない事や、水道管や排水管が他人の土地を通過しているなど、競売においても注意すべきポイントです。
出来るなら一括競売での購入が望ましい
土地だけの競売は、かなりハードルが高いと言えます。出来れば、競売を専門にしている不動産関係者にアドバイスしてもらい、土地の利用目的に応じた物件を探してもらう方が安心です。土地が安いからと言って、利用目的がはっきりしないのであれば、一括購入できる競売物件を探す方が無難だと言う事です。
まとめ
競売では土地だけの購入に問題点を考慮する必要性がある事を理解していただけたと思います。土地と建物は、所有者が別でも売買が可能なのは、競売でも同じ事ですが、土地のみの競売での問題点や購入ポイントを把握して競売に参加する必要があります。堅実な物件を求めるのであれば、当方までご相談くださいませ。
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