競売に出される物件で、気になる物件の情報を得ていたが、急に競売そのものが延期されることがあります。それは裁判所命令によって競売が延期される場合です。今回は、競売が延期になった場合、どの様な影響があるのかをお伝えします。
競売の流れ
不動産競売の流れは以下のようになっています。
1.入札の方法
入札への参加を希望する人(又は会社)は、まず執行官から入札書用紙と封筒を受取り、
必要事項を記入します。この入札価格は、公告に記載されている買受可能価額以上である必要があります。
入札方法には、入札書を直接裁判所へ提出する方法と、郵送する方法とがあります。当然ながら、入札期間を過ぎてから、提出したものは無効となります。また、一度入札書を提出したあとは、訂正したり取り消したりすることはできませんので注意が必要です。
2「保証」を提供する
入札をするときは、保証を提供する(お金を預ける)必要があります。「不動産の売却基準価額の2割」の額がそれにあたります。(裁判所によってはそれ以上の額が必要となる場合もあります。)
3.開札
入札期間が終了すると開札が行われます。入札した中で最高値を付けた者が「最高価買受申出人」となります。最高価買受申出人が提供してあった保証は、購入額の1部として返還されません。その他の入札者に対しては、保証が返還されます。
債務者からの申し立てによって競売が延期された場合
「競売開始決定通知」を受取った債務者が、債権者と交渉して、競売の取り下げを頼む場合があります。債務を支払えない限り債権者が競売の取り下げ書を提出することは通常、ありません。
しかし、何らかの手段により、債務者が債務を支払う目途が立ったなどの理由で競売を取り下げられる可能性は開札日の前日まであるということは覚えておいた方が良いでしょう。
競売延期の影響
競売が延期されたことで影響を受ける最も顕著なものに、マンションなどの管理費の額があります。例えば当初の予定では、競売開始される時点で滞納金額が10万円であったものが、競売が延期されたことで滞納額が30万円になったと言う様な例もあります。
マンションなどの集合住宅では、その物件に住んでいた債務者が滞納した管理費・修繕積立金、さらには罰則金利なども落札者に引き継がれます。これらは競売の延期期間中もかさんでいきます。
ほかにも、延期されている期間中に建物に大規模修繕などが発生した場合、区分所有者の負担が発生することが考えられます。そうなった場合、評価人は評価書を変更する必要が生じます。
また、延長期間が数ヵ月から長くなる場合は、公示価格や基準地価が変わることも考えられます。そうなるとさらに大掛かりな評価書の修正が必要になり、これらは債権者の負担となります。
まとめ
今回お伝えしたように、競売の延期は様々な形で起こり得ます。最終的に物件の入札価格にまで影響してくることが予想されますので、気になっていた物件の競売が延期になった場合は、理由はどうあれ、事態を注視しましょう。
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