不動産基礎知識

住宅ローンの破綻は家庭の破綻に繋がりやすい

競売となった物件を見ていると、住宅ローンの返済が出来なくなったことにより競売となってしまった家の中は乱雑で、ややもするとゴミまで床に散らかっているケースが見受けられることがありますが、これは何故なのでしょうか。

LP_banner_02

■住宅ローンで破綻する理由
住宅ローンで破綻してしまうのは返済するお金が無いからです。しかし、返済ができなくなってしまう理由はひとつではありません。
仕事を失ってしまった、給料がカットされてしまったなど収入が減ってしまい返済が出来なくなってしまうケースが最も多いのではないかと思います。夫婦の収入合計額を前提に融資を受けたものの奥様が働けなくなってしまったというのもこのケースに含まれます。子供が成長し、思っていたよりも学費が掛かってしまい住宅ローンの返済にお金を回すことが難しくなってしまうケースもあると思います。
これらは見込みが甘かったということになるかもしれません。突然のリストラなどは想定するのは難しいと思いますが、ライフイベントについては十分に予見可能であったと言えます。

■住宅ローンと家族の破綻
住宅ローンの返済を行うことでギリギリの生活になってしまうことは、返済名義人を含め家族に相当なストレスを与えることになります。家を手放したくない、借金は返さなければならないなど色々なものが家族を縛り付けることになります。
しかし、長い返済期間のなかで滞納が1カ月、2カ月続いてしまうと後は坂を転げ落ちるように競売まで進んでしまうという話しは良く耳にします。長いストレス下にあった夫婦はお互いを非難し合うか、無気力になってしまうかで家族の雰囲気は悪くなり勝ちです。滞納を続けると金融機関からの連絡を無視してしまうのも現実に立ち向かう気力を失ってしまっていることが大きな要因なのではないでしょうか。執行官が来て初めて競売まで話しが進んでいることを知る人もいます。
競売となればやがて他人の物になってしまう家のなかを、整理して、掃除をするということをしなくなってしまう人が出てくるのも仕方ないのかもしれません。

■前向きに生きるための選択も大切
借金は必ず返すという気概を持つことは大変素晴らしいことです。家族で団結して苦難を乗り越えられるのであれば、それに越したことはありません。
しかし、幸せとほど遠いところに居続けるのであれば、マイホームを手放すという選択も大変意義のある選択です。競売ではなく、任意売却を選択することによって能動的に状況の整理を行っていくことで、前向きに状況への対処もできるのではないでしょうか。
住宅ローンが破綻となっても、家族の絆まで破綻させることはないようにしましょう。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 実は厳しい税金滞納への対応
  2. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  3. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  4. 後妻の子の相続における取り扱い
  5. 相続時に名義変更をしないとどうなる?

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    住宅ローンによる借入に勤続年数はどれだけ影響するか?

    住宅ローンによる融資の審査項目に勤続年数があるという事ですが、この勤続…

  2. 不動産基礎知識

    住宅ローン返済中に単身赴任になったら住宅ローン控除はどうなる?

    夢のマイホーム。返済に励んで仕事に邁進していたら、突然会社から辞令が出…

  3. 不動産基礎知識

    住宅ローン返済中に病気になったら?~収入ダウンに備えた保険と制度~

    住宅ローン返済中のリスクは、病気になったときの収入ダウン。返済を滞納し…

  4. 不動産基礎知識

    競売における保管金とは何か?

    競売に限らず裁判所でお金が絡む場合に保管金や供託金という言葉が出てきま…

  5. 不動産基礎知識

    大家として管理会社にどう向き合うべきか

    歴史的な低金利が続いており金融機関による貸出意欲も高いことから、不動産…

  6. 不動産基礎知識

    競売にかけられた物件! 返済ローン残金は一体どうなる?

    慣れ親しんだ家のローン返済が払えなくなったとき、金融機関又は保証会社は…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    抵当権の消滅と競売との関係とは?
  2. 賃貸オーナー様

    マンション管理における標準管理規約とは何か
  3. 債務整理

    競売で落札した物件の賃貸借契約はどうなるのか? ~落札者編~
  4. 債務整理

    債務整理による債権放棄と債務免除
  5. 債務整理

    一戸建て住宅が競売に至るパターン
PAGE TOP