債務整理

債務の相続放棄で注意すべきこと

人が死亡すると、亡くなられた方は被相続人となり、生前に所有していた財産が遺産として相続人に相続されることとなります。この遺産は現金や不動産などの資産だけでなく、借金などの負債も相続の対象となります。
したがって資産よりも負債のほうが大きければ相続人は借金などの債務を相続することになります。そこで債務を相続しないようにするため、法律では相続放棄を認めています。

LP_banner_02

相続放棄とは
相続する遺産には、現金等の資産のほかに借金などの債務も相続の対象となります。もし、被相続人の遺産が債務超過しているとなると相続人は借金の債務だけを相続することになってしまいます。そこで相続人は、相続の開始があったことを知った日から3カ月以内であれば、裁判所に相続放棄を申述することが認められています。
相続放棄が認められれば最初から相続人ではなくなるために借金などの債務を相続することは無くなりますが、相続放棄を行う場合には注意が必要です。

相続放棄された遺産
例えば夫が死亡し被相続人となり、配偶者と子が相続人となるケースを挙げてみます。配偶者と子は被相続人の遺産について借金の方が大きいということであれば、相続放棄を行います。すると、被相続人の遺産を相続する権利は、第2順位の相続権利を有する被相続人の父、母に移ります。もし、父と母も一緒に相続放棄を行ったとすると、被相続人の遺産の相続権は第3順位の被相続人の兄弟姉妹に移ることになります。
このように相続放棄を行うことで遺産の相続権は法で定められた順位の親族に移っていくことになります。疎遠になっている親族であれば、被相続人の死亡のことも知らず、いきなり遺産しかも借金による債務を相続するという話が振られることになるのです。

遺産相続のトラブルを回避するために
相続放棄が出来るのは、相続の開始があってから3カ月ではなく、相続人が相続の開始されたことを知ってから3カ月なので、相続の開始があったことを知らずに相続人になってしまったような親族であれば問題なく相続放棄はできます。
しかし、何も知らされずにいきなり債務だけの遺産を相続するという話が来るというのは決して気分の良いことではないでしょう。相続放棄をする場合には、被相続人の兄弟姉妹まで相続権を有する可能性のある人に事前に連絡・相談を行っておくことをお勧めします。
また、相続放棄は一旦してしまったら原則取り消すことはできません。借金などによる債務超過だと思っていた遺産に、後から債務を上回る高額な資産があったことが判明しても相続人に戻ることはできません。相続放棄は十分に遺産調査をしてから行うことをお勧めします。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  2. 督促状の納期限とペナルティについて
  3. マイホームを手放すことになってしまったら
  4. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  5. 相続時に名義変更をしないとどうなる?

関連記事

  1. 債務整理

    住宅ローンは、転勤した後でも払い続けるのか?

    ある日突然、会社の上司から「おい、転勤してくれ!」と言われました。いき…

  2. 債務整理

    住宅ローンの返済中に連帯債務者の持分が売却対象となったら

    自宅を夫婦や親子、兄弟などで出し合い、共有するケースというのは特段珍し…

  3. 債務整理

    競売での立ち退き!

    競売で、土地や家の立ち退きを求められたら困りますよね?それは買った側も…

  4. 債務整理

    競売の入札保証金|落札できなかったらどうなるの?

    競売とは、皆さんご存知の通り、借金の返済ができない債務者が、その担保と…

  5. 債務整理

    競売における売却基準価格とは何か

    競売における売却価格を売却基準価格といいます。これは裁判所が決めるので…

  6. 債務整理

    競売と公売の違いを理解しよう

    不動産を自分の意志以外で売却される場合があります。このような場合には「…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    競売における配当順位を知ろう
  2. 相続

    相続における債務の取扱いについて
  3. いろいろ

    競売になった物件の家具はどうなるのか
  4. 債務整理

    日常をどん底までに突き落とす多重債務とは?
  5. 任意売却

    マイ ホームが競売になる回避策とは
PAGE TOP