債務整理

競売の申立てが行われてしまった場合にどうすれば良いか?

住宅ローンの滞納を続けてしまうと、やがて債務者は不動産執行手続の申立てを行い、「担保不動産競売開始決定通知」が裁判所から送られてくることになります。この通知を受け取って初めて事の重大さに気づく債務者もいらっしゃいます。この通知は何を意味し、どのような対応ができるのでしょうか。

LP_banner_02

■競売の申立てとは
競売の申立てとは、債務者の債権の回収をするために財産を換価することを目的に、裁判所に対して債権者が売却を申し立てることをいいます。住宅ローンの滞納の場合には、通常、マイホームである土地建物に抵当権などの担保権が設定されているため、債権者が当該担保権の実行手続きに入ったということになります。

競売開始決定通知を受け取ったときに、初めて債権者が競売の申立てを行っていたことを知る債務者も多くいます。債権者は競売による売却価格が一般市場での売買と比較して低廉な価格になることを知っていますから、本来は避けたい手続きだと思っています。しかし、数多くの融資物件を取り扱う金融機関などがひとつひとつの物件を売却していく訳にもいきませんので、最後の手段として裁判所へ競売の申立てを行ったということなのです。

■競売開始決定通知を受け取ったら
競売開始決定通知が送付されてくるということは、債権者によって既に競売の申立て済みということですから何もしなければそのまま競売の手続きが進んでいくことになります。それもひとつの対応ですが、もし、競売による売却を回避したいと思ったらどうすれば良いのでしょうか。

まずは、債権者に競売の取り下げをお願いすることになりますが、債権者も費用と手間をかけて競売の申立てを行っていますし、最後の手段を取るまでに債権者と債務者との信頼関係も崩れていますので簡単に応じてはくれません。取り下げを認めてもらうためには、競売の実行よりも債権者にメリットがあることを示す必要があります。

■競売の申立て後の対応
マイホームを手放さないようにするためには、ローンの残債と延滞料金を含めて一括で債権者に返済をして取り下げてもらうという方法があります。競売の申立て後に金策に走った結果、親からの援助などによって工面が出来たというケースはよくあります。

競売よりも高値で売却できる可能性がある任意売却によって得られた売買代金を返済に充当し、残債は別途分割で返済する条件で取り下げの交渉をする方法もあります。任意売却であれば、債権者も競売よりは回収できる金額も高くなる可能性がありますので前向きに検討をしてくれるはずです。
いずれにせよ競売の申立てがあってからは期間入札の開札日前日までが取り下げの期間となりますので、競売を避けたいと思うのであれば迅速な対応をしていかなければいけません。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. マイホームを手放すことになってしまったら
  2. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  3. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  4. 不動産の売却に年齢制限はある?
  5. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう

関連記事

  1. 債務整理

    もしも、競売物件が入札期間中に誰も落札しなかったら?

    住宅ローンなどの滞納で止むを得ず物件を競売にかけざるを得なくなりました…

  2. 債務整理

    競売においての余剰金は、誰のものか?どうなるのか?

    余剰金は「よじょうきん」と読みます。言葉の意味は「余ったお金」という意…

  3. 債務整理

    競売入札で提出が義務となった「陳述書」の役割

    不動産投資家や競売で安くマイホームを手に入れようと思っている皆様に、民…

  4. 債務整理

    競売落札後にやるべきこと!(把握すべきこと)

    競売入札をし、いきなり落札後に通知がきてびっくり。なんて事がないように…

  5. 債務整理

    見てみよう!競売に関する「買受人」と「買受申出保証金」

    競売物件を購入する権利を取得するためには、「買受人」になる必要がありま…

  6. 債務整理

    債務整理における受任通知が持つ絶大な効果とは?

    多重債務によって、取り立てに苦しんでいる債務者が債務整理を弁護士等に依…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 任意売却

    持ち家に住み続けられる?任意売却でできること
  2. いろいろ

    マイホーム売却での確定申告は有利に働く?
  3. 任意売却

    競売の手続きによる債権届出の対応
  4. 任意売却

    コロナ禍における競売件数の推移
  5. 賃貸オーナー様

    賃貸物件の家賃滞納を防ぐ対策法
PAGE TOP