住宅ローンの返済が困難になってしまい競売で売却すると価格が安くなってしまうために任意売却での売却をしようとしても、マイホームが差し押さえられていると任意売却をすることができません。このような場合には差押えを解除できれば売却が可能となります。しかし、その解除がなかなか難しいという話があります。
意外と多い差押え
債務者の税金に対する認識の甘さから住宅ローンなどの民間業者への返済を優先してしまった結果、住宅ローンが払えなくなり任意売却することを検討した時には税金滞納による差押えが既に行われていたというケースは少なくありません。
このようになってしまうことの背後には住宅ローンを滞納してしまうと担保になっている家が競売で売却されてしまうけれども、税金は滞納しても公共のことだから何とかなるだろうという認識の甘さがあるためだと考えられます。
しかし、所得税や固定資産税などを滞納していると意外と早い段階で差押えの処分がされてしまいます。役所や滞納金額によっても対応は異なるかもしれませんが、早ければ1カ月には差押えがなされるケースもあるようです。法律の定めでは役所は滞納があって20日以内には督促状を送付し、督促状を発送してから10日を過ぎれば役所は滞納者の財産を差押えることが出来るようになるのです。
差押えによって任意売却が出来ない理由
通常は預金などが差押えとなりますが、住宅ローンの返済に困る債務者には差し押さえられる預金などは無いケースが殆どです。したがってマイホームの差押えが行われるのですが、差押えの登記がされてしまうと、これが解除されない限り物件の購入希望者は現れません。
何故ならば例え物件を購入しても差押えられている以上、公売などによって強制的に売却される可能性が高いからです。したがって任意売却を行うためには役所と交渉して差押えを解除してもらう必要があります。
手間が掛かる差押えの解除
差押えを解除できれば任意売却は可能なのですが、役所に依頼すればすぐに解除してくれる訳ではありません。解除のために交渉をするのですが、役所や担当者によってはなかなか解除に応じてくれないケースもあり、全額納税が条件と言ったり、競売になるならそれはそれで仕方がないと言ったりするところもあります。解除に応じて貰うためには、任意売却が結局関係者全員にメリットがあるということを丁寧に説明するとともに滞納者も分割でも今後滞納分を全額支払うことを誠意をもって示す必要があります。
このような交渉は債務者が自ら行っても上手くいかないケースが多いです。任意売却の専門業者であれば、このような交渉にも慣れていますので早目に相談されることをお勧めします。