競売で購入したはずの物件から、旧居住者が立ち退かない、いわゆる「居座り」のトラブルが存在します。この記事では、その場合の対処法として、裁判所へ「強制執行」の申し立てをするための手続について、詳しく解説いたします。
なぜ家から立ち退かないのか?
購入した家に元の住人が「居座る」ケースは、決して珍しいことではありません。持ち主にとっては、自身から望んで手放したわけではないからです。そこに住み続けたいという気持ちがあり、立ち退きを拒否しているのです。
いつまでも居座りを続けられた場合の対処法
このようなケースで、新たな持ち主である購入者は、裁判所に「強制執行」という手続の申し立てをすることができます。最終的には居座る旧居住者を、強制的に追い出す内容になります。
購入者は競売によって正式な所有者となっているので、裁判所へこのような法的な執行を申し立てることのできる権利を持っているのです。
では、具体的にどのような流れになるのか、次で見ていきましょう。
「強制執行」の流れ
以下に、強制執行の申し立て手続について、ステップに沿って解説いたします。
ステップ①「不動産引渡命令」の申し立て
まず裁判所へ、「不動産引渡命令」の申し立てをします。これを受けて裁判所は、物件に居座りを続ける旧所有者に、「立ち退いてください」という趣旨の通告をします。
この命令を出されたにもかかわらず、居座りを続ける場合、いよいよ本格的に、「強制執行」の申し立てをすることになります。その間の目安は、2週間程度です。
手続の内訳は大きく、「催告」と「断行」に分かれます。
ステップ②物件明渡しの「催告」
まず、「裁判所の執行官」「強制執行の業者」「不動産管理会社」などが立会い、「催告」が行われます。催告とは簡単に言えば、「強制執行をしますよ」という「予告」のことです。
旧居住者に具体的な趣旨を説明し、執行の日取りを記載した「貼紙」をします。これを勝手にはがすと、罰金を徴収されることになります。
催告から1ヵ月程度経過しても、まだ退去をしない場合は、強制執行の「断行」となります。
ステップ③強制執行の「断行」
「催告」のときと同様、執行官や不動産会社が立会い、業者が強制的に退去を執行します。これが「断行」になります。
ここまで行った場合、不動産引渡命令から通して2ヵ月程度経過してしまいますが、居座りをする住人への、人権上の配慮からどうしても時間がかかってしまうのです。
まとめ
居座りは決して珍しいケースではありません。無理に追い出そうとすると、思わぬ行動を取る可能性もあります。手続に関して不明な点がある場合、不動産業者へ相談をするのが有効な手立てです。決してひとりで考えて行動せず、競売で獲得した物件を安全に手に入れましょう。
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