競売とは、住宅ローンの支払いができなくなった為に、金融機関や保証会社が、住宅ローンの残金を確実に回収する為の最終手段といって良いでしょう。住宅ローンの住宅には、抵当権が設定されています。競売における抵当権の内容と効力について紹介しましょう。
■抵当権=担保の説明
抵当権とは、金融機関からお金を借りる時に、担保として金額に値するようなものや不動産を設定する事です。これによって、万一お金を借りた人が、理由はどうあれ3か月以上の猶予期間をもってしても、支払う事が不可能で金融機関側との話し合いに応じない場合に、担保となったものや不動産を差し押さえます。
それでも、支払う可能性が少ない場合に「抵当権」の権利として、「任意売却」や「競売」を行う事です。金融機関や保証会社は債権者となって、借金の返済する者が(住宅ローンの該当者)が債務者として、「任意売却」や「競売」で得たお金で、借金の返済に充てる事になります。
債権者は、借金の回収の為に抵当権を行使するのです。抵当権がある間は、担保に該当する住宅は、所有者(債務者)のものではないという考え方なのです。債務者は住宅ローンを、全て完済する事で、自分の所有物(マイホーム)となるのです。
■抵当権の効力とは、どんなもの?
抵当権の効力については、「優先弁済権」というものがあります。「優先弁済権」とは、複数のお金を貸している金融機関や業者が存在した場合に、優先的にお金の回収を目的に、担保となっている不動産などを、競売などで強制的に売却したり、他の債権者よりも優先的に代金の回収ができたりする権利になっています。
仮に不動産の持ち主が、「抵当権の登記」がされていない場合の不動産を、勝手に第三者に売却したとしても、「抵当権」は債務者から購入した第三者が、効力を請け負う事になります。つまり、第三者は「抵当権」も一緒に不動産を購入した事になります。
◎抵当権の物上代位(ぶつじょうだいい)とは
これは、抵当権が設定された物品以外の代わりとして、金銭に対しても「抵当権」を保有する事になります。抵当権の設定された住宅が災害などによって、保険金を受け取った場合には、「抵当権」を保有する債権者が、その支払われる保険金に対して差し押さえをする事ができます。その代金を、住宅ローンや借金の返済に充てる事になります。
■抵当権には順位が存在する
住宅の所有者である債務者が、複数の金融機関から住宅ローンや借金を行っている場合において、1つの住宅に対して複数の「抵当権」が設定される場合があります。抵当権の登記の日付によって順位が決まりますが、融資金額の大きい抵当権を保有している者が、優先的に高くなる場合もあります。競売に関しては、抵当権の順位に従って配当金(借金の回収の割り当て)が支払われます。
■競売の種類
競売には「強制競売」と「担保権の実行」があります。
◎「強制競売」の内容
債権者が抵当権などの担保権を、該当する不動産に対して設定を行っていない場合に、強制競売の実行となります。強制競売を実行するには、債務名義が必要になります。債務名義を証明する為には、債務者に対して裁判を行ってから勝訴の判決を得る事が強制競売を行う為の条件となります。裁判での判決で以下の書類を提出します。
・判決文
・公正証書
・和解調書
◎「担保権の実行」の内容
住宅ローンの融資をする際に、住宅に対して「担保権」が設定されている場合には、金融機関などの債権者が、「担保権の実行」として、住宅ローンの回収の為に、強制的に売却する事になります。
一般的に「競売」と呼ばれる場合は、「担保権の実行」の事がいわれています。住宅ローンの債権者は、住宅の所有者がローンの支払いが困難であると判断した時に、「登記事項証明書」を裁判所に提出して競売に踏み切るのです。
◎「登記事項証明書」とは
不動産を売却する時に必要な「登記事項証明書」=「登記簿謄本」が、法務局の登記簿に内容を証明する書類です。
■まとめ
競売における抵当権の内容と効力を理解する事で、不動産投資や競売に参加する難しさを知る事になります。競売に関しては、専門的知識のある不動産業者にまかせる事をお勧めします。
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