競売物件を取得して、後に必ず課税される税金があります。それは、登録免許税(国税)と不動産取得税(地方税)です。競売によって、取得した際にも課税されるのですが、今回は不動産取得税に注視してみていきましょう。
■競売で取得した物件にも、不動産取得税は課税される
不動産取得税は、競売により取得したことでも払わなければいけない税金です。登記簿のうえで所有権が変わったことが確認されてからの作業になるのですが、所在地の都道府県税事務所が管轄となることから、地域によってルールが違う場合があります。
家の引渡しから、6ヶ月から1年半後くらいに各都道府県から通知がきますので、期限内に金融機関などで納付をすることになります。納付期限は各都道府県によって異なります。不動産取得税の計算は
◎土地・建物の税額=固定資産税評価額×4%
が標準税率となりますが
◎土地及び住宅3%(2021年3月31日まで)
◎住宅以外の土地4%
以上のような要件を満たすと、特例により標準税率が軽減されます。
■申告をすることで他の軽減措置が適用されることも
不動産取得税は一定の条件を満たし、不動産を取得してから各都道府県が定める期日以内に「不動産取得税減額申告」の手続きをおこなえば、さらに税金を軽減することができ、場合によっては無税ということもあります。
今回は、競売物件により居住用の建物や土地を取得することを想定して、以下のようにまとめています。なお、控除額は各都道府県によって若干の相違がありますので、詳しくは各都道府県の税務署に確認が必要です。
◎中古の建物の場合
不動産取得税=(固定資産税評価額-控除額)×3%
・買主の居住用、またはセカンドハウス用としての取得
・50平米以上240平米以下
・次のいずれかに該当するものであること
①昭和57年1月1日以降に建築されたものであること
②①に該当しない住宅で、新耐震基準について証明がされている。既存住宅売買瑕疵保険に加入している
③新耐震基準に適合しない住宅で、入居前に新耐震基準に適合するための改修を実施している
◎土地
不動産取得税=(固定資産税評価額×1/2×3%)-控除額(下記AかBの多い金額)
A=45000円
B=(土地1平米当たりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積×2(200平米限度))×3%
・上記「建物」の軽減の要件を満たすこと
・取得から1年以内にその土地上の建物を取得すること
・土地を借りるなどしてその土地上の建物を取得した人が1年以内にその土地を取得すること
■まとめ
今回は競売で不動産を取得したときに課税される、不動産取得税についてまとめてみました。軽減税率が適用されることで、税金を減額できるケースもあります。1度きりの税金ですが、各都道府県の税務署へ相談をおこない、減額できるよう努めるのがよいでしょう。
不動産のことに関して何か疑問や困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。