マイホームを購入する際、その資金を全額で一括払いできない場合に利用することとなる住宅ローン。これにより購入資金を借り受け、月々の支払いで返済していくことが可能となります。仮に毎月の返済が期限に間に合わない事態が生じた場合、どうすればよいのでしょうか。
住宅ローンとは
文字通り、住宅を購入する目的で組まれるローンを意味するのが住宅ローンです。銀行など金融機関から住宅購入資金を借り受け、それを月払いなど分割で返済していくというシステムとなります。
原則的に、契約者自身およびその家族が居住する住宅を取得するケースを対象としています。そのため他者に貸す用途となる賃貸物件や、自宅以外のセカンドハウス購入では利用できません。マイホーム購入という条件を満たしていれば、物件の種類はとくに問われません。新築のマイホームのみならず、中古の戸建住宅や中古マンションの購入でも利用可能となります。
住宅ローン契約が成立する前段階として、金融機関による審査が行われます。それによって借り受ける方の収入状態や健康状態など、想定されるローン返済期間中に滞りなく支払いを継続できるか否か判断されるわけです。
つまり住宅ローンを受けるには、借り受ける方に長期に渡る返済能力があると貸付側である金融機関に認定されることが必要ということになります。
また、ローンが完済されるまでの期間、貸付側の金融機関は住宅ローンで購入されたマイホームに対して抵当権を持つこととなります。抵当権とは、仮に資金の借り受け人から返済義務が果たされなくなった場合、貸付側は返済の代わりに借り受け人の抵当対象資産を差し押さえることができるという権利です。
住宅ローンの滞納が続けば、貸付側すなわち債権者は抵当権を行使して裁判所に申し出、マイホームの差し押さえと不動産競売による売却が行使されます。競売による売上金がローン返済に補填されるというわけです。
支払いが遅れた場合の対処
住宅資金を借り受け、それをローンで返済していく場合、借り受けた方は月々の返済義務を遂行していかなければなりません。月々のローン支払いについては概ね、毎月定められた期日に借り受けた方の口座から引き落とされる方法が取られています。仮に、口座預金が月々の返済額に達していない場合、引き落としができず支払い不履行と見做されるわけです。
引き落とし期日に返済額を用意できなかった場合の対処法としては、速やかに請求額を口座に入金することが有効です。その際には、延滞している金額に対して年14%前後(金融機関によって異なります)の遅延損害金がプラスされます。つまり、返済が1日遅れるごとに、以下の式で導き出される額が請求額に加算されることとなるわけです。
▼遅延損害金=(未納額×0.14/365)×返済日翌日からの経過日数
※ここでは仮に14%とします。
滞納が続いてしまうとどうなるのか
ローンの支払い延滞が継続した場合、どのような事態を招くこととなるのでしょうか?
滞納が概ね3ヶ月ほどに及べば、貸付側である金融機関に「期限の利益喪失」に当たると判断されます。これは、返済に関して月々の分割払いが無効となり、残りの債務については一括支払いで請求するという措置です。
それに応じられない場合、マイホーム購入資金を借り受けた方すなわち債務者は自宅を手放さなければなりません。貸付側すなわち債権者側の持つ抵当権に基づき、マイホームの差し押さえおよび競売による売却処分がなされるというわけです。
不動産競売は、購入希望者である入札者の中から最高値を付けた人に落札される方式が取られ、正規の不動産売買より安価に売り渡されるケースが殆どです。そのためローンの負債が完済されず、競売後も残債を負うケースも珍しくありません。
ローン滞納により「期限の利益喪失」の事態に至ってしまった場合、競売より好条件となる住宅処分方法として、任意売却が挙げられます。
この場合、正規の不動産売却と同条件で価格が設定されるため競売と比較すると高値の売却が期待され、自宅処分後の残債減額が期待できます。仮に売却価格がローン残高を上回るアンダーローンの状態となれば、その差額は売却益として債務者側が受け取れます。
任意売却においては、通常の不動産売買とは異なる側面もあります。それは、債権者による抵当権抹消が必要となる点と、不動産競売が落札されるまでに売買契約を完了しなければならないという点の、2つです。
これら2つの条件に関しても履行していく必要があるため、任意売却を検討する際には、それが実行可能な不動産会社に仲介を依頼することが肝要です。
まとめ
以上のように、住宅ローンの基本を確認しながら、ローン未納に至った場合の流れについて見てまいりました。仮に月々設定されている支払い期限に間に合わなかった場合には、遅延損害金を合わせて速やかに入金することが重要です。ローン支払い継続が困難となり、マイホームを手放さざるを得なくなった場合には、任意売却を検討することによりダメージ軽減を図れます。
競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。