住宅ローンの滞納をしていると金銭消費貸借契約に従ってローンの残額に対して遅延損害金が発生することになります。
この遅延損害金はローンの利息を遥かに上回る利率が乗じられることになりますが、任意売却後の残債についても同様に遅延損害金は発生するのでしょうか。
遅延損害金とは
住宅ローンを利用して融資を受けるということは、借り入れた金銭を返済するという債務を債権者に対して負うことになります。この返済方法については融資の際に締結した金銭消費貸借契約書によって定められており、債務者は定められた期日に定められた金額を返済する義務を負います。
この金銭債務の不履行、すなわち滞納をしてしまうと、債務者は債権者に対して損害賠償を行う必要があり、損害賠償として支払う金銭が遅延損害金と言われるものです。
金銭消費貸借契約における遅延損害金はローンの残額に一定の税率を乗じて計算されるものであり、遅延利息、延滞利息とも呼ばれることがあります。
高額となる遅延損害金
この遅延損害金ですが、数日の返済の遅れであればそれほどの金額にはなりませんが、競売の申立てがされる頃になると3~6カ月は滞納が続いている状態になるかと思います。
このような長期間の滞納となると高額になり負担は大きくなってきます。任意売却であれば一日も早く決断をして売却を急いだほうが良いというのは、競売を回避するということもありますが、遅延損害金を出来る限り少なくするためだという側面もあるのです。
遅延損害金を求める際の年利は約14%程度であることが多く、例えばローン残額が3000万円である場合の滞納機関6カ月の遅延損害金は、3000万円×14%×0.5=210万円となり、大変な金額となってしまいます。
住宅ローンの金利から考えたら、遅延損害金の計算で用いられる利率が非常に高いことは十分にご理解いただけるものと思います。売却手段が競売であっても任意売却であっても延滞期間が延びれば延びるほど遅延損害金は大きくなっていくのです。
任意売却後の遅延損害金
任意売却を行った後に残債が発生した場合、本来はこの残債についても遅延損害金が課されることになります。
しかし、実際問題として、残債の返済についての示談の中で、債務者が遅延損害金を支払える能力があるのかどうかを債務者の生活状況などを勘案し、遅延損害金の免除について検討することになります。遅延損害金が免除になるかどうかは債権者によるところが大きいというのが実情です。免除してくれるケースは多いものの絶対というものではないため、
もし、任意売却で遅延損害金の免除をアピールしてくる業者の方がいらっしゃったら注意したほうが良いかもしれません。