競売物件の入札は誰でも参加することができ、通常の価格より割安に不動産が手に入ることから人気が高まっています。しかし、3点セットの見方や、現地調査、入札書類の書き方など、ある程度専門的な知識も必要とされます。そのような競売ですが、いざ入札となるとその後の「期日」なども気になるものです。今回は、競売の売却決定日について見てみましょう。
■売却決定日と売却許可確定日は違う?
競売物件を入念に調べ、入札後に開札が行われます。そこで、1番高い金額で入札した人と2番目に高い金額を入札した人が裁判所で発表されます。その結果、1番高い金額の入札者を審査して、問題がなければ売却許可決定が言い渡されるのですが、その日を売却決定日といい、そこで買受人が決まるのです。
次に、売却許可確定日ですが、売却決定日を8/10とすると、それから1週間後の8/17が売却許可確定日となります。その期間を執行抗告期間といい、その期間に債務者からの異議申し立てが出れば確定日が延びます。それから1ヶ月半後まで代金の納付期限となります。
■売却決定日に所有者が変わるわけではない
最高額を入札したことで、買受人になる資格を有したことになるのですが、すぐに所有権が移るわけではありません。
先述したように、売却決定日の後に執行抗告期間があり、その期日に何事もなければ裁判所から買受人宛てに代金を納付するよう通知が届きます。その指示に従って1ヶ月以内に代金のうちの残金部分を納付して、裁判所に納付手続きをすることで、所有権が移転するのです。
そのようなことから、所有権移転は売却決定日から最短でも9日後くらいということになります。
■売却許可決定後に落札者がカギを開けるのは違法?
売却決定の通知が来ても、まだ所有権は前入居者のままです。合意の上の明渡しでなければ、強制執行をしなければいけません。
また、勝手にカギを開けて室内に立ち入ると不法侵入罪となるので注意が必要です。
競売物件では1番難しいと思われる占有の解除ですが、お金と時間がかかりますが、裁判所の手続きで済ますこともできます。
占有者もなく、空き家の状態で放置されている物件は、荷物などが置かれていることもあり、その荷物を処分するにも所有者の了承が必要となります。その場合、裁判所に出向き、落札物件の資料を閲覧し、所有者の電話番号があれば、電話でのやり取りができますが、引越し先の住所があれば郵便でやり取りをするしかないでしょう。
■まとめ
売却許可決定後、占有者に対して引渡しの対応を行うのですが、占有者が任意に不動産を引渡さない場合は、その占有者に対して代金納付後直ちに裁判所に引渡し命令を申し立てることになります。そのタイミングも、売却決定の通知から起算できますので、占有者が居る場合はあらかじめ対応できるよう準備をしておいたほうが望ましいでしょう。
不動産のことに関して何か疑問やお困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。