不動産基礎知識

競売物件の代金には消費税が課税されないの?

競売物件の代金には消費税が課税されないというのは本当でしょうか。もし、そうだとすると競売物件を取得しようとしている人にとっては消費税分支払いが減ることになりますので良い話なのでしょうが、どこか影響が出るところは無いのでしょうか。

LP_banner_02

■競売による取得代金への消費税
消費税は、広く公平な課税の実施を目的として、商品や製品の販売、サービスの提供などの取引が行われた場合に課税されます。消費者が取引の対価に付加して支払った消費税を事業者が納税する仕組みとなっています。しかし、課税事業者でなければ消費税を納税する義務は生じません。

課税事業者は過去の売上により該当、非該当が決まります。非該当の場合は免税事業者となりますが、免税事業者であっても課税事業者になることを選択することができます。なお、非課税取引といって、消費税が課税されない取引があり、土地の取引は非課税取引に該当します。一方、建物の取引は課税取引に該当します。
競売では建物やマンションも売却の対象となりますが、競売による代金に対して落札者は消費税を追加で支払う必要はありませんので落札した金額が代金となります。

■競売でも実は消費税が発生する
競売の落札者視点から捉えた場合には、消費税相当額を追加で支払うということは無いのですが、競売不動産の所有者視点の場合にはどうでしょうか。実は競売物件の所有者が消費税の課税業者であった場合には消費税を支払わないといけません。消費税は買受人に課税されるものではなく、売却した人すなわち競売不動産の所有者に課税されるものです。

すなわち競売による売上に対して課税が行われることになります。しかし、落札者は代金以外に消費税を支払うことはありません。したがって代金は消費税込みとして計算が行われます。土地と建物が一緒に売却されている場合には、建物代金に相当する金額に対して課税となります。そして債務者には後日消費税を支払う義務が発生しますが、売却代金は全て配当などに回ることになりますので、別途消費税相当金額を用意しておかなければいけません。なお、免税事業者は課税されることはありません。

■任意売却における消費税の扱い
任意売却においても、課税業者が売主となれば建物の売却金額に対して消費税が課税されます。この消費税は売却費用に含まれないのが一般的なようです。しかし、任意売却であれば、交渉事なので任意売却の専門家に相談すれば何らかのアドバイスが受けられる可能性はあります。何よりも競売だと低い売却価格であるにも関わらず、課税業者であれば更に消費税が内税扱いとなって別途請求となりますので、債務者にとっては非常に不利であることに違いはないでしょう。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. マイホームを手放すことになってしまったら
  2. 実は厳しい税金滞納への対応
  3. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  4. 後妻の子の相続における取り扱い
  5. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    投資目的の競売物件のリフォームについての注意点

    競売物件のほとんどは、修繕やリフォームを必要とします。その分の費用も含…

  2. 不動産基礎知識

    不動産競売の入札の流れ~競売の入札に必要なもの~

    競売と聞いて、ピンとこない方も多くいるのではないでしょうか。ここでは競…

  3. 不動産基礎知識

    競売手続きを代理人に委任するなら

    競売の手続きをする際に、何らかの事情で代理人に依頼せざるを得ない事があ…

  4. 不動産基礎知識

    競売代行の手数料について

    法改正により、不動産業者ではない、一般の人でも参加し易くなったと言われ…

  5. 不動産基礎知識

    住宅ローン返済中のマイホームを賃貸できる?

    マイホームを購入する際に利用する住宅ローンですが、一般的にはローンを利…

  6. 不動産基礎知識

    不動産投資における減価償却費の計算

    不動産投資では減価償却に対する理解が重要です。よく不動産投資を行うと節…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 任意売却

    不動産の売却と確定申告
  2. 任意売却

    住宅ローンの返済が残高不足で滞ってしまったら
  3. 任意売却

    住宅ローンを夫婦合算で利用する場合
  4. 賃貸オーナー様

    マンション管理における標準管理規約とは何か
  5. 不動産基礎知識

    家を売る全体的流れ~それに伴う必要書類や出費と注意点~
PAGE TOP